一昔前はベンチャー企業と言えば、危険な香りがする働き方でしたよね?
大手企業でも倒産するこの時代において、ベンチャー企業で働くことやベンチャー企業は珍しくなくなってしまいました。
この介護業界においても、若く野心に溢れる20代30代が次々とベンチャー起業して名を馳せています。
割と簡単に補助金がもらえ、起業しやすいのが介護ベンチャーの良いところですが、日本の社会で営利活動をするからには日本のビジネスルールに習わなければならないと理解しておきましょう。
私たち介護施設の顧客はご高齢者ではありますが、施設や備品の購入先は一般企業ですよね。
いくら斬新なサービスを展開して世の中の賛同を得たとしても、それを周りの企業や自治体が認知してくれないことにはビジネスとして成立しません。
日本は島国ですから新しいものに対して敵対心を生みやすく、なかなか認めてもらえないのが本当のところです。
ですから、もし新しいビジネスを始めても忍耐強くビジネスしていかなければ、足元を掬われます。
老人介護施設ではできなかったことを、自分たちの理想郷で叶えようという心意気は立派ですし、雇われるのではなく自分たちで創造していくその志の高さは称賛に値しますが、
仕事である以上、ビジネスルールに従うのは当然のこと。
若者は勢いがあるものの、はやり解決しなければならない課題の解決力がありませんし、施設勤めなく起業してしまった介護職もいるぐらいです。
理不尽な社会人経験は忍耐力を付け、その解決のための努力が身に付きますが、できるのとできないのとではビジネスの行く末に大きな影を落としてしまいます。
そこで登場するのが私たち30代40代の中途採用者です。
介護職としての経験は少ないものの、彼ら彼女らのサポートや経理・総務・人事などの裏方を一手に引き受けることもできます。
私も一度誘いを受けたことがありましたが、年収の折り合いがつかず断念した苦い思い出がよみがえります。
そうして独立した彼らは、3つの介護施設を運営する経営者になってしまいました。
あの時、年収を我慢して話に乗っていればと悔やむときもありますが、当時の私にはその勇気はなかったんでしょうね。